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炊きたての土鍋ごはんのしあわせ

玄米を精米して、土鍋で炊くだけで完璧なごはん

お米を炊く時間が、私のいちばん好きなひとときです。毎朝、玄米を精米して、といで、土鍋で炊く。ただそれだけなのに、心が静かに整っていくんです。

精米したてのお米が、お水と出会う瞬間。あの透明なきらめきは、まるでヘレン・ケラーが「ウォーター!」と感じた時のように、いのちが目覚める瞬間。見ているだけで胸があたたかくなります。

といでいると、46億年の地球の歴史をたどるような気持ちになります。水と土と太陽の力を感じながら、「このお米がここにある」奇跡を思う。まるで瞑想のように、無心で手を動かしている時間です。

そして、お水を入れて浸水させる時。今日の気温や風の流れ、湿度や空気の重さを感じながら、「ああ、今日はこんな日なんだな」と体で知る。その日の自然に合わせて、お米の呼吸も変わる気がします。土鍋にふたをして火をつけると、やがてぐつぐつと小さな音が立ちはじめます。その音は、まるでお米たちが命を宿していく胎動のよう。

ふたを開ける瞬間、私は毎回、出産の時のような幸福に包まれます。水とお米だけで、こんなにも幸せなものが生まれるなんて。湯気の向こうで光る一粒ひとつぶが、命の誕生を祝っているように見えるんです。

炊きたてのごはんを前にすると、ただ「ありがとう」と言いたくなります。自然がくれた恵み、人の手のぬくもり、自分の呼吸。そのすべてがこの一膳の中にある気がして。

ひと口食べるたびに、お米と自分が一体化していく感覚。食べるというより、“いただく”という言葉がぴったりです。体の中に光が通っていくようで、心の奥まで満たされていく。

お米には神様が宿る——昔からそう言われてきたけれど、本当にそう思います。お米を炊くたびに、見えない何かとつながっていくような感覚がある。火と水と土と人がひとつになって、命を紡いでいるのだと思います。

精米したてのお米と、お水と、土鍋。たったこれだけで、完璧なごはん。手間ではなく、いのちをいただく小さな儀式みたいなものです。

今日も湯気の中で微笑みながら、「生きてるなぁ」と思う。そんな瞬間の積み重ねが、きっと豊かさの本当の姿なんだと思います。

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